月食(げっしょく)は太陽・地球・月の順番で一直線になり、月に地球の影ができる時に発生します。つまり月と太陽の間に地球が入り、地球の影に隠れることで発生します。
月食には一部だけが暗くなる部分月食と、完全に地球の影に隠れて真っ暗になる皆既月食があります。皆既月食では月は赤く(赤銅色に)染まるため、ブラッドムーンとも呼ばれます。
通常の月の満ち欠けは太陽と月の位置によって発生するのに対し、月食は月が太陽からみて地球の向こう側に位置する時に生じます。そのため月食は日食同様に始まりと終わりがあります。

月食の発生時刻は日本のどこにいても変わりませんが、月食の時刻に月が沈んでしまうと見ることができません。
2018年7月28日の皆既月食
7月28日は皆既月食になります。しかし日本では月の入り直前とも言える時刻から始まるため、多くの地域では食の最大を観測することができません。
部分食は3時半くらいにはじまり、皆既日食は4時半から。空の低い位置に少しの間見られるといったところです。
部分食の始め (3時24.2分) | 皆既食の初め (4時30.0分) | 食の最大 (5時21.7分) | 月の入り時刻 | |
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札幌 | 8.2度 | みられない | みられない | 4時24分 |
仙台 | 11.3度 | 1.0度 | みられない | 4時38分 |
東京 | 13.6度 | 2.8度 | みられない | 4時49分 |
京都 | 16.5度 | 5.9度 | みられない | 5時7分 |
福岡 | 20.8度 | 10.3度 | 1.4度 | 5時32分 |
那覇 | 27.6度 | 16.3度 | 6.5度 | 5時58分 |
皆既月食(2018年7月28日) | 国立天文台(NAOJ)
浜松の日の入りは東京と同じ4時49分。皆既月食の最大は見ることができませんが、4時30分から19分間は赤く染まる月の一部を見ることができます。
今後見られる月食
日付 | 種類 | 月食現象の詳細説明 |
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2018年7月28日 | 皆既 | 本州以西で月没帯食、北海道では部分食 |
2019年7月17日 | 部分 | 最大約60%、月没帯食、中国・四国地方以西で見える |
2021年5月26日 | 皆既 | 日本全国で観測(西日本では月出帯食)、皆既は約14分間継続 |
2021年11月19日 | 部分 | 最大約98%、北海道・東北地方以外では月出帯食 |
2022年11月8日 | 皆既 | 日本全国で観測、月食中に天王星食も起きる |
2023年10月29日 | 部分 | 最大約10% |
2025年3月14日 | 部分 | 皆既月食だが、日本では北海道で部分食のみ見える |
2025年9月8日 | 皆既 | 日本全国で観測、皆既は約1時間24分継続 |
皆既月食で月が赤く見える原理の説明はこちら↓

2018年1月31日の記録
1月2日のスーパームーンに引き続き、1月31日(水)には3年ぶりの皆既月食が見られます。
かつては月蝕とも表記されていましたが、今は月食で統一されています。蝕のほうが雰囲気が出ていいと思うんですけどね。
▼当日の画像まとめ

巷ではスーパーブルーブラッドムーンといって煽っていますが、ブルームーンって月に二度満月があることで、ただのカレンダー上の話です。
今回の目玉は「観測しやすい高い位置に出る」こと「3時間以上に渡ること」、そしてほぼ「満月」ということです。
皆既月食は月が陰るだけでなく、全体が真っ赤に染まるため変化が分かりやすいので、天体に興味がなくても楽しめるのが特徴です。
皆既月食のときの月の色は日本の気象関係では赤銅色と表現されますが、英語では月全体が赤く染まるところから、blood moonと呼ばれます。
血の月と耳にすると物騒に感じますが、月の色は大気の状態によって異なり、火山の噴火などでチリが多いと赤く見え、そうでないと黄色みが強くなります。
今回の食は継続時間が1時間17分と長く、空の高い位置で発生するため、観察するには恵まれた条件となっています。

国立天文台の皆既月食特集ページ
部分食始まり | 20時48分 |
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皆既食の始め | 21時51分 |
食の最大 | 22時30分 |
皆既食の終わり | 24時11分 |
部分色の開始は21時前で皆既月食が始まるのが約1時間後。
皆既月食の終わりは23時を回ってしまうのが難ですね。
真冬で寒い上にこの時間ではちょっと辛い。
日食と違って特別な機材も必要なく、肉眼でも十分わかるので、部屋の中から窓越しに眺めるだけでもいっか、と思ったりもしますね。
ウェザーニュースではハワイからの中継をするようなので、雲が出ていて見られないならインターネットライブを見るのも手ですね(ウェザーニュース 20:15配信開始 皆既月食 2018年1月31日)
YouTubeはここ
海外ですが、こちらは少し遅れて日本時間20:30より配信開始されます。
自分でも分っていなかったことがあったので、↓では皆既月食の原理をまとめてあります。

むすび
31日の月食は、皆既月食の終わりが 23:08、部分月食の終わりが0:11分と時間が遅いため、観望会を開かない天文台が多いかもしれません。
月食は1年間に1,2回は発生していますが、皆既日食となると頻度は高くはありません。
次に皆既月食が見られるのは東日本で3年後の2021年 5月26日となっています。しかも14分間と短い。
長い時間見られるこの機会にじっくり観察したいと思われたら、お近くの科学館・天文台に問い合わせてみてはいかがでしょう。

月食の説明画像は国立天文台の皆既月食特集ページより転載しています。
参考 赤銅色に染まる月を見よう国立天文台
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