静岡県湖西市(こさいし)が、昨年2017年にふるさと納税をした人の寄付金控除の通知書を自治体に送付した際、誤ったマイナンバーを通知したと発表しました。
マイナンバーの誤記があったのは「ワンストップ特例制度」を利用した5,853人中、1,992人分。
1月27日に湖西市から寄付金控除が行われる自治体に通知を送付したところ、30日になって受け取った自治体から、マイナンバーが寄付者のものと異なると連絡が入りミスが発覚しました。
誤って送付した通知は破棄依頼をしており、改めて正しい通知書が送付されます。
目的とは異なる自治体にマイナンバーと氏名が異なるために漏洩にあたりますが、通知先が自治体であることから、湖西市では外部への流出はないとしています。
流出した個人情報は100名以上でマイナンバー法における「重大な事態」に当たるため、2月9日には静岡県と個人情報保護委員会に連絡しています。
「重大な事態」の発生は2015年10月のマイナンバー導入より3件目となります。
通知書に誤記が生じた原因
マイナンバーと申請者の住所氏名の誤記が生じた原因は、表計算ソフト(エクセル?)での並べ替えの操作を誤り、寄付者の住所氏名とマイナンバーにズレたことによるもの。
さらに寄付者の申請書と通知書の突合の仕方が悪かったために今回のミスが発生したとしています。
参考 「寄附金税額控除に係る申告特例通知書におけるマイナンバー記載誤り」について湖西市という湖西市でマイナンバー漏洩事件が発生したニュースです。
これ、チェック体制ができていないことに驚くとともに、エクセルの並べ替えでずれるのはよくある話だけに、担当者に同情してしまったのは僕だけではないはず。
手作業で「並べ替え」をしていると、普通にやらかしますよね。
ふるさと納税は総務省の管轄なのだから、国がきちんとしたシステムを用意して自治体に提供すべきではないでしょうか。
ということを考えていたら、これは痛いニュースなのかもしれないと思えてきました。
湖西市は浜松市の西に位置する自治体。
「湖西市のふるさと納税お礼の品」には、うなぎの他、米やみかんといったものがあります。
マイナンバー法で定められた「重大な事態」とは
ニュースの中で出てきた「マイナンバー法で定められた重大な事態」は
- 不正アクセスによる漏洩
- 人数が100人を超える場合
- ネット上で誰にでも見られる状態になっており閲覧された場合
- (従業員などにより)不正な利用のために持ち出された場合が重大な事態にあたる。
の4つ。今回は100人以上のマイナンバー流出なので、2に該当します。
→特定個人情報の漏えいその他の特定個人情報の安全の確保に係る重大な事態の報告に関する規則
マイナンバー流出で課せられる罰則
不正利用のための情報持ち出しには罰則があるが、意図的でない今回のようなケースでは刑罰はないようです。
過去に起きたマイナンバーに関する「重大な事態」
- 2016 – 居酒屋チェーン従業員430人分のマイナンバーが記された「扶養控除申請書」が車上荒らしにより盗まれた。郵便局への移動中にコンビニに立ち寄ったところ盗難された。従業員への補償としてQUOカード1000円分を渡した。
- 2016 – 従業員の情報管理を委託されていた会社が、マイナンバーを含む個人情報400人のデータを誤って削除
漏洩対策は万全ではなかった
マイナンバーの導入前は漏洩対策は万全、と言っていたけれど、手作業が入るのにチェックがないでは、万全でも何でもないですね。
ふるさと納税への批判もある中、こういう凡ミスは痛いんじゃないかな。
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