「土用の丑の日」の『丑』の意味 日付の干支を知ってますか?

暑い盛りを乗り切るのにウナギを食べる「土用の丑の日」。

今年2018年の土用の丑の日は7月20日(金)と8月1日(水)の2回。

ウナギを食べるのを楽しみにしている人も多いと思いますが、丑の日が2回ある理由、「丑の日」の干支と日付の関係について知ってますか?

 

土用とは?

「土用の丑の日」と聞くと夏の暑い時期を思い浮かべますが、土用そのものは年に4回あります。

立春・立夏・立秋・立冬それぞれの手前の17日~19日間が土用で、季節の変わり目の準備期間のような位置づけになります。

夏の土用は7月20日頃から8月6日頃までで、おおむね大暑から立秋にかけての期間に当たります。

ようは昔の暦(雑節)の一つです。

土用は1年を五行の5等分し、さらにその4分の1ずつをそれぞれの季節に割り当てています。つまり4つの土用を全て足すと365/5でおよそ73日。また季節によって長さが異なり、夏の土用は18日か19日間ありますが、冬の土用なら17日か18日間となります。

土用の由来

土用は五行説に由来します。五行説は、全ては「木・火・土・金・水」の要素からなるという思想なので、暦や時間。

五行説では5要素を季節にも当てはめ、春を木気、夏を火気、秋を金気、冬を水気とし、余った土気をそれぞれの季節の変わり目の前においたのが土用です。土用は季節間の緩衝材のような役割と考えていたようです。

 

丑の日 日付に干支?

丑の日は十二支による日のことで、こちらも五行説が由来となっています。

十二支は12で循環しているため、「丑の日」を十二支の日であると説明されることが多いと思います。干支の日とは、干支(かんし、えと)の60日周期の日付のことです。

現代では干支(えと)といえば十二支を指しますが、もとは十干(じっかん)と十二支で干支(かんし)を組み合わせて時刻、日付などに用いられていました。

  • 十干:甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
  • 十二支:子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥

例えば甲子(かっし)、乙丑(いっちゅう)のように使われます。

甲子園の名前は甲子の年である1924年に完成したことに由来します。

丙午(ひのえうま)の女子は気性が激しく、結婚相手に恵まれない(夫を不幸にする)といった迷信があるのは有名です。前回の丙午であった1966年には、出生率が前年に比べ25%も減り、グラフでもひと目で確認できるほどです。

閑話休題。十干も十二支もそれぞれ循環しており、最後の「癸」「亥」になると、次は最初の「甲」「子」に戻ります。

10と12を組み合わせたら120になりそうなものですが、干支の周期は60。その理由は、十干も十二支も1日ごとに1進むルールで、十干が6順、十二支が5順したところで最初の甲子に戻るためです。

陰陽五行説・干支・十干十二支

干支のうちの十二支の部分が「丑」になるのが丑の日となります。

 

丑の日が二度ある理由

土用の丑の日は年によって1日だけのこともあれば2日のこともあります。丑の日が2回ある時は、2度めを「二の丑」と呼びます。

丑の日が2回あるの理由は単純で、十二支の丑の日は12日で一巡して最初に戻ります。それに対し土用の期間は17日~19日。

十二支の方が土用よりも周期が短いために、2回目の丑の日がある年もあるわけです。

10日間のうち月曜が2回ある時もあれば、ないこともあるのと同じ理由ですね。

 

土用の丑の日にうなぎを食べる風習の由来

うなぎが滋養に富むことは昔から知られており、うなぎを食べて暑い時期を乗り切るという考え方は古くからあったようです。

ただ、天然ウナギの旬は秋から冬にかけて。現代では養殖がほとんどなので年中旬と言えますが、天然物しかない時代のこと。旬ではない時期に敢えてウナギを食べるのは、味わいを求めるのではなく、栄養摂取の意味があったのかもしれません。

夏の「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣の起源には諸説ありますが、一番有名なのは平賀源内説でしょう。

夏場にウナギが売れない鰻屋が平賀源内にアイデアを求めた。すると源内は、店先に「本日丑の日」という張り紙をするよう薦める。

 

「丑の日」の張り紙が功を奏して、その鰻屋は繁盛。他の鰻屋もそれに倣ったため、土用の丑の日にウナギを食べる風習ができた。

丑の日と書かれた貼り紙で客が増えた理由としては、丑の日に「う」のつく食べ物を摂ると夏バテしないという風習があったという説があります。

旬ではない夏場に売れないのは当然ですが、張り紙一枚で売れる商品にしてしまった。源内が優秀なコピーライターと呼ばれる所以でもあります。

ただ、いずれにしても真偽は定かではありません。

ウナギは夏の土用の丑の日に食べるのが一般的ですが、冬の土用の丑の日にもうなぎを食べることもあるようです。丑の日ではありませんが、静岡県三島市では「寒の土用うなぎまつり(かんのどよううなぎまつり)」と称した冬の土用のうなぎイベントを催しています。

 

今後の土用の丑

 

丑の日二の丑土用入土用明け
2018年7月20日8月1日7月20日8月6日
2019年7月27日7月20日8月7日
2020年7月21日8月2日7月19日8月6日
2021年7月28日7月19日8月6日
2022年7月20日8月6日7月23日8月4日
2023年7月30日7月20日8月7日
2024年7月24日8月5日7月19日8月6日
2025年7月19日7月31日7月19日8月6日
2026年7月26日7月20日8月6日
2027年7月21日8月2日7月20日8月7日
2028年7月27日7月19日8月6日
2029年7月22日8月3日7月19日8月6日
2030年7月29日7月20日8月6日
2031年7月24日8月5日7月20日8月7日

 

ウナギは控えたいけれど、風習には則りたいのなら

昔と違って栄養が十分取れている現代では、夏場にウナギを食べる合理的な理由はないと言われています。

絶滅の危惧や価格高騰からウナギは控えたいと思っている人もいると思います。

あえてウナギを食べる必要は感じないが、昔からの習慣には則りたいということなら、「う」のつく食べ物を食べるという手があります。

うめぼし、うどんなど、よく紹介されていると思います。縁起物に近いかもしれませんが、土用餅(土用に食べるあんころもち)を食すというのもありでしょう。

また、滋養という観点から、あるシジミやタマゴを食べる習慣もあったようです。

「土用の丑の日」はウナギのイメージが強いですが、ウナギに限る必要もなさそうです。

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