うなぎの卸売価格と取引量、年別・月別(東京卸売市場)

うなぎ価格と取引量
絶滅危惧種に指定されて久しいニホンウナギ・ヨーロッパウナギですが、今年2018年はシラスウナギ(うなぎの稚魚)が記録的な不漁となりました。1月中旬には、漁獲量(採捕量といいます)が例年の同時期と比べて1%しかないことをメディアが大々的に報じました。

ウナギは卵を産ませて成体まで育てる「完全養殖」はまだ商業化できていないため、シラスウナギを捕獲して育てたものが出荷されています。完全養殖のめどは立っていますが、未だ商業ベースには乗っていません。つまり「養殖うなぎ」の生産量もシラスウナギの漁獲量はに影響されます。

2018年のシラスウナギ漁獲量は養殖期間の猟期後半の3~4月には回復していますが、養殖には半年ほどかかるため、今年の7月20日(金)と8月1日(木)の土用の丑の日の出荷量には影響が生じると考えられています。

不漁が続いていたニホンウナギの稚魚シラスウナギの静岡県内の採捕量が、漁期後半の3~4月に回復した。ただ、夏の「土用の丑(うし)」向けの出荷に間に合うとされる1月下旬までの採捕量が例年よりも大幅に少なく、今夏に市場に出るウナギの価格に影響を与える可能性がある。

シラスウナギの漁期は12月から翌年の4月まで。県水産資源課によると、平年だと12~2月は月250~500キロが揚がるところ、今シーズンは12月に0・2キロ、1月28・7キロ、2月になっても128・6キロと不漁が続いていた。

静岡 | シラスウナギ、採捕量回復も今夏は高騰か:朝日新聞デジタル

静岡県はニホンウナギを絶滅危惧種(レッドリスト)に指定しているのですが、いまだうなぎはふるさと納税の返礼の品として大量に並んでいます。規制をかけるべき自治体が推奨しているということは、逆に言えばそれほどの危機ではないのでしょう。

しかしそれだと「絶滅危惧ⅠB類(EN)〔IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの〕に指定した理由が分からない。うなぎの生産・販売に携わっている人たちの生活と、絶滅危惧という現実の板挟みになっているのだろうとは思いますが…

うなぎの市場価格が上がればふるさと納税のお礼の品の限度額3割の問題も出てきます。そこで調整されるかもしれないと考えたので、市場の取引価格をグラフ化しました。

東京卸売市場でのうなぎ価格(年平均)

うなぎ価格と取引量は、東京卸売市場で公開されている統計情報を用いています。2018年の取引量が少ないのは前月分までのデータしかないためです

年次グラフの棒グラフは年平均の価格(円)、折れ線グラフが取引量です。取引量は右側の軸の単位は「t」になっていますが、マウスを合わせた時・タップした時に表示される数字はkgです。

凡例の部分をクリック・タップで、グラフを非表示にすることができます。

供給量が減れば価格は上昇しています。シラスウナギの漁獲量(採捕量)が記録的に少なかった 2010年から2013年の漁期の影響により、2012年2013年には価格が急騰しています。2012年の危機的状況から、シラスウナギの池入れ量(養殖する量)に規制が設けられるようになりました。

ただ、池入れ量が公式のシラスウナギの漁獲量(採捕量)よりも遥かに多い状況が繰り返されているため、規制の効果には疑問の声もあります。

東京卸売市場でのうなぎ価格(月ごと)

月ごとのグラフも年次と同じく東京卸売市場での取引価格を利用しています。

こちらのグラフも凡例をクリック・タップすることで表示を切り替えられます。オレンジ背景の年をクリックすると、その年のグラフのオン・オフが切り替わります。ご自身で確かめてください。

2018年は前月分までしかデータがありませんが、2012年2013年と比べてもすでに高騰していることが分かります。浜松でもすでに値上げしているお店も目につくので、土用の丑を直撃しそうな状況です。

ただ、必ずしも7月、8月が高くなっているわけではなく、5月がピークの年もあります。その年の漁期だけでなく、前年の漁期の採捕量にも影響されるため高騰の一途をたどるとは限りません。

グラフのデータ

いずれも東京卸売市場が公開している月報から作成しています。2018年は6月末までのデータ。
東京都中央卸売市場- 市場統計情報

グラフ1、年次データ

年次の平均価格は

平均価格数量
20102365246323
20113380223099
20124307158776
20134860157857
20144377169712
20154014185870
20164116207716
20173601225910
2018467161047

 

グラフ2、月次データ

月次データも東京卸売市場で公開されているものを利用していますが、月ごとの平均は過去9年間の価格をもとに筆者が作成しています。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

 

グラフ画像やデータの転載について
グラフ右上にあるメニューから、画像としてダウンロードすることができます。教育機関でのご利用は出典表記不要です。ご自由にお使いください。

それ以外のウェブサイトでご利用の際は、出典としてリンクだけお願いします。

1 Comment

絶滅危惧種なのに価格の高騰のほうがニュースになる「鰻(うなぎ)」を考える | OVO [オーヴォ]

[…] 出典:「浜松生活」ホームページデータから著者作成 近年のシラスウナギの日本近海への来遊量の減少について、黒潮の蛇行やフィリピン・台湾振動(フィリピン沖の風向きの変化)など海洋環境の変化が上げられていますが十分な答えが提供されているとは言えないというのが現実のようです。 […]

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